当ページでは「ローコード開発」が業務システム開発の世界でどのような役割を果たすのか、
どのような状況で威力を発揮するかといった情報を提供します。
WHAT IS LOW-CODE
ローコード開発とはソフトウェアをローコード(Low-code)で開発するという意味になります。その実現として、ローコード開発ツール・ローコード開発プラットフォームというカテゴリの製品が存在します。国内外含めて複数の製品が存在しており、それぞれが特徴を持っていますが、共通していることはソフトウェアを少ないプログラム量で完成させることが出来るという点です。主に企業内で利用する業務システムと呼ばれるソフトウェアの開発に使うことが多いです。
このような仕組みが現れた背景として、企業内向けの業務システムに求められる物がDXというキーワードと共に変化してきているという点が挙げられます。
BACKGROUND
昨今、DX(Digital Transformation)というキーワードがよく聞かれるようになりました。2018年に経済産業省が公表したガイドラインはDXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義していますので当ページではこの前提で進めます。
企業活動のあらゆる「もの」・「こと」をデータとデジタル技術を活用して変革して競争優位を作るのですから、単純に言うと全部をデジタル化・ソフトウェア化していこうという事です。DXに関する情報や書籍は数多く出版されていますがDXをどうやって実現するかという視点で以下の書籍をお勧めします。
非常に分かりやすく具体的で示唆に富んでいます。 ウェブサービスを提供するような企業以外でも例えば製造業やサービス業、小売業なども自社の製品・サービスをソフトウェア化による価値増大を目指し、さらに、社内業務全般もデジタル(ソフトウェア)化によって変化し競争優位を確立するという事が非常に重要です。
当ページはローコード開発について説明をするページですが、何故最初にDXについて長々と解説したかというと、DXを実現する為の手段としてローコード開発は非常に親和性が高いためです。
COMPARISON
ローコード開発の位置づけを理解するには、コードを一切書かない「ノーコード開発」と、全てを手作りする「スクラッチ開発(フルスクラッチ)」との比較が分かりやすいです。
| 項目 | ノーコード | ローコード | スクラッチ開発 |
|---|---|---|---|
| コードの記述 | 不要(全て画面操作) | 原則不要(必要な箇所のみ記述) | 全て記述する |
| 開発スピード | 速い | 速い(スクラッチ比10倍規模の例も) | 遅い(数か月〜年単位) |
| 自由度・拡張性 | 製品の想定範囲内に限られる | 高い(コードによる拡張が可能) | 最も高い |
| 適した用途 | 定型的な小規模アプリ | 業務システム全般 | 特殊要件・大規模サービス |
| 必要な知識 | ほぼ不要 | 基本的なIT知識+必要に応じてコード | 専門的なプログラミング能力 |
ノーコードとの本質的な違いは、製品の想定を超える要件に出会ったときに、壁を越える手段があるかどうかです。ノーコード製品は手軽に始められる反面、想定範囲外の要件で行き詰まりやすい特性があります。ローコードは大部分を設定ベースで開発しつつ、複雑な帳票や特殊な計算ロジックといった「残りの数%」をコードで解決できます。
スクラッチ開発との違いは生産性と保守性です。画面・検索・登録・権限管理といった業務システムの共通部分を毎回作り込む必要がなく、本来注力すべき業務固有のロジックに集中できます。
MERIT
画面や帳票、検索・登録機能といった業務システムの大部分を設定ベースで構築するため、スクラッチ開発と比較して製品によっては10倍以上の開発速度が出ます。開発期間の短縮はコスト削減に直結するだけでなく、「作って試して直す」の反復回数を増やせるため、品質面にも良い影響を与えます。
日本国内の業務システムは、外部のシステム開発企業への全面委託か、パッケージソフトの導入かの二択になりがちでした。前者は変更のたびに見積もり・契約・納期の調整が発生し、後者は自社の業務をパッケージに合わせる負担が生じます。ローコード開発は「自社業務を熟知したメンバーが自ら作り、育てる」という第三の選択肢を現実的なものにします。もちろん開発会社と共同で進める形も取れます。
業務システムは作って終わりではなく、外部環境・内部環境の変化に応じて改善し続ける必要があります。ローコード開発は変更が設定ベースで完結することが多いため、開発と運用を一体で回すDevOpsのようなスタイルと相性が良く、影響分析機能を持つ製品であればデータ構造の変更が及ぼす影響も事前に把握できます。
スクラッチ開発では、退職や担当変更によってコードの中身を説明できる人がいなくなる「属人化」が深刻な問題になります。ローコード開発では、システムの構造が「データモデルと設定」という読み解きやすい形で残るため引き継ぎがしやすく、ドキュメント化・可視化とも相性が良いです。
DEMERIT
各製品には想定している利用用途があり、それを大きく外れる要件(例:消費者向けの大規模Webサービスなど)には向きません。対策は、導入前に「何を作りたいか」を整理し、体験版で実際に作って検証することです。
特定製品に依存するため、将来の乗り換えコストを不安視する声もあります。対策は、データが標準的なデータベース構造で保持され、外部からアクセスできる製品を選ぶことです。データさえ自社の資産として残れば、このリスクは大きく下げられます。
「誰でもすぐ作れる」と思われがちですが、業務システムの開発にはデータ設計の考え方など一定の知識が必要です。まず少人数のチームで小さな成功を作り、そこから社内に展開していく進め方が現実的です。
現場が自由に作れるようになる反面、管理されないアプリが乱立する懸念があります。権限管理・命名規約・開発ルールを整備し、情報システム部門が全体を見渡せる製品・運用を選ぶことが対策になります。
HOW TO CHOOSE
ローコードツールは国内外に多数あり、それぞれ得意分野が異なります。製品選定では以下の5つの視点で比較することをお勧めします。
広い用途に対応する製品は習得が難しく、特化型の製品は適用範囲が狭い傾向があります。各製品はこの「用途の広さ」と「開発・習得の難易度」のバランスの中で個性を持っているため、作りたいシステム像と製品の得意領域が一致しているかを最初に確認します。
画面から作っていくタイプか、データモデル(データ構造)から作っていくタイプかという違いがあります。複雑な業務データを扱う基幹系・管理系のシステムでは、データモデルを中心に据えた製品の方が保守性・拡張性で有利です。
設定だけで足りない要件が出たときに、コードやAPIで拡張できるか。既存の基幹システム・データベース・クラウドサービスとの連携手段が豊富かを確認します。
情報システム部門が作るのか、現場部門が作るのか、開発会社と協業するのか。想定する開発者像と、製品の難易度・ライセンス体系が合っているかを確認します。
国産か海外製か、日本語のサポート・トレーニングがあるか、料金体系が分かりやすいか、同業種の導入実績があるかも重要な判断材料です。
多くの製品が無料の体験版を提供しているため、候補を2〜3製品に絞り、実際に同じお題(自社の小さな業務など)を作り比べるのが最も確実な選定方法です。
LOW-CODE × AI
生成AIがプログラムコードを書けるようになった今、「AIがあればローコードは不要になるのでは?」という疑問を持つ方が増えています。結論から言うと、AI開発の時代にこそローコード基盤の価値は高まると私たちは考えています。
AIが自由に書いたコードは、その検証・保守の責任が人間側に残ります。生成量が増えるほど「動いてはいるが誰も中身を説明できない」ブラックボックス化が進みやすいのが実情です。一方、ローコード基盤の上でAIが開発する場合、AIの作業範囲は構造化された安全な枠組み(ガードレール)の中に収まり、成果物は人が読み解ける「設定とデータモデル」として残ります。
さらに、ローコード開発で蓄積されるデータモデルや設計情報は、AIにとっての「業務コンテキスト」そのものです。設計情報が整備されているほど、AIによる業務アプリの開発も、業務データの分析・活用も精度が上がります。
TALONではこの考え方に基づき、次の3つのプロダクトを展開しています。
EXAMPLE
ここからは国産のローコード開発製品である「TALON(タロン)」を例にローコード開発ツールがどのような物であるかを説明します。※当サイトはTALONの製品ページ内に設置しています。また、TALONは企業向けの業務システムを開発する事を主目的としているため、以降はソフトウェアという用語ではなく業務システムという用語を使います。
FAQ
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