前回更新から大幅に期間が空いてしまいました。この期間に色々な事がありました。
一つはTALONの海外展開です。タイでTALONを販売することになり、先月その地ならしで訪問してきました。非常に好感触で東南アジア圏で大きな需要があると肌で感じました。その為、来月予定している国際特許取得の国として米国以外に東南アジアの数カ国でも取得する決断をしました。
もう一つのトピックは、超高速開発コミュニティ(ローコード開発コミュニティ)で新しい分科会(モデリング分科会)への参加です。
これは以前ナイトセミナーで講演した際に出会ったデータモデリングの専門家である渡辺幸三氏より、データモデルをあらかじめ用意しておくことこそが超高速開発の普及を加速するという話が出て、渡辺氏とWagbyの開発元であるジャスミンソフト社とGeneXusの販売代理店であるコアネクスト社と当社でモデリング分科会の発足へと繋がりました。
私自身、渡辺氏の提唱するデータモデリングが正しく構築されることこそが業務システム構築を成功させるという考えに100%同意しています。TALONはまさにその想い(データモデルが完成すればあとは超高速でシステムが完成する)を元に作られているので当然といえば当然です。
この分科会の取り組みは開始前から日経のITProで記事になっています。この記事の中にありますが、モデリング分科会では、今後複数の超高速開発ツールを用いて実際にモデリングしたデータベース構造を使って業務システムを実装していきます。このような取り組みは恐らくかつてなかったものだと思います。通常であれば、実際の業務システムを顧客からの注文でもなく(受注としての作業)、ましてパッケージ製品としての開発(投資としての作業)でもない、分科会の枠組みだけの為に大量の工数を割いて構築するというのは不可能です。それが可能になるのは当分科会が超高速開発コミュニティとしての活動であり、各ツールは業務システムを超高速に作ることが出来ると謳っているからに他なりません。
2015年6月10日に実施された第一回モデリング分科会で説明されましたが、最初は渡辺氏がX-TEA上で構築した受注生産管理システムのデータモデルである「CONCEPTWARE/受注生産」のモデルを使い、「GeneXus」「Wagby」「TALON」の3ツールがそれぞれ実装します。
機能数として約200機能ある業務システムとなりますが、次回の夏開催までに各社が実装を進めていきます。TALONで作られたシステムは全てフリーで公開します。また、今後は様々な業種別のデータベースモデリングも当分科会で行っていく予定で、そこで作られた様々な業務モデルは全て分科会からフリーで公開する予定でいます。各ツールを使わずとも、業務システムを作るときの社会的な資産となればという考えでいますので、役に立てていただければと思います。
私としては以前より熱望していた企画です。どうすればTALONが「本当に使える業務システムを超高速で開発・運用できる」ことを広く証明できるかを考え続けていたので、その証明となるまたとない機会だと捉えています。導入頂いた企業様だけでなく、実際に動くシステムを見て体験していただけますので楽しみにして頂ければと思います。
それでは今回はこの辺で。
文=古関 雄介