診断士コラム

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デザイン言語と独占(1)

新年明けましておめでとうございます。あっというまに半月が経ってしまいました。前回コラムで書いた通り、今年は緊急でないが重要な事をいかに実行・実現できるかがカギになっていると考えています。

年が明けてから何冊か仕事にまつわる本を読んでいたのですが、その中でこれは凄い!という本に立て続けに2冊出会いました。2冊ともが例年ですと1年に1冊あるかどうか位の面白さだったのでちょっと紹介させて頂きます。

まず1冊目は、「ジョナサンアイブ」です。

非常に有名なアップルのデザイナーです。彼の仕事に対する取り組み方が良くわかる一冊です。半自伝的な本になっているので生い立ちから今までが書かれていますが、やはり凄味が出てくるのはアップルでジョブスと一緒になってiMac、iPod、iPhone、iPadを作っていく過程です。どれも信じられないくらいリスクを負って作っていた事が良くわかります。

この本の中で私が一番印象に残ったのは2点です。

1.プロダクトを作る時に、外観や機能・性能を目標とする前にユーザがそのプロダクトを使った時にどう感じるか、どのような生活スタイルの変化があるかといった、答えの存在しない事を考え続けているという点(このやり方がアップルのデザイン哲学なのだと思います)

2.作っているプロダクトに対してのエネルギーの投入量が尋常でない点

私も製品を企画・販売していますが、ここまで徹底的に考え、エネルギーを投入しているかと自問自答すると旨を張ってYESとは答えられないです。1に関しては、今は存在しないけれど一度手にしたら生活に変化があったり、経営に変化があるというプロダクトを作るんだという強い意思を感じます。つまり、イノベーションを起こすという事です。そして、イノベーションを起こす為には、1を考え続けて、2のエネルギー投入をどれだけ行えるかがカギになるのだと、本書を読むと分かります。

弊社で作っている開発ツール「TALON」は新しい価値を生む物だと確信しています。企業システムの構築を自分たちで出来れば市場の変化や経営の変化に即座にシステムが対応出来るので経営のスピードアップにつながります。また、コストも劇的に下げることが出来ます。さらにソフトウェアベンダーがTALONを使って業務パッケージを作って展開すれば、カスタマイズが極めて容易なパッケージという今までに無いジャンルを生むことも出来ます。私たちはこの内容でイノベーションを起こして世の中の価値を増大していくべく仕事をしています。本書はイノベーションがどのように生まれるのかが非常によく分かる内容になっているので、まさに今読むべき本だったと感じています。ジョブスとのエピソードも面白いですしお勧めです。

2冊目は次回紹介します。ちなみに2冊目は、「ゼロ・トゥ・ワンー君はゼロから何を生み出せるかー」です。こちらもイノベーションに関わる内容です。コラムのタイトルにある「独占」はこちらの本のテーマです。

それでは今回はこの辺で。

文=古関 雄介

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